2018年2月15日木曜日

論文「仮想通貨の税務上の取扱い」

仮想通貨の税務上の取扱い
税務大学校の論文です。著者は安河内 誠氏です。個人的に気になったP.437後半からP.438前半、および結びを引用します。
国外送金等の場合は、国家管轄権の制約から円から他の通貨に交換されたあとの資金の流れの把握が困難になるのと同様に、仮想通貨の場合にも技術 的な制約から仮想通貨に交換されたあとの価値の移転の把握は困難であり、その入り口(出口)である法貨と仮想通貨との交換の場面でその交換の事実 等を把握することが最も適切な方法と考えられる。
提出させる情報は、IDのほか、仮想通貨の売買(売買の仲介を含む)の事実、取引金額、年末残高、アドレスなどが必要となるであろう。仮想通貨と法定通貨との交換が、仮想通貨交換業者を通じずに(分散型取引所(DEX))行われることもあり、このような情報を把握する別の手段も必要になる。異なる仮想通貨を第三者を介さずに交換する方法(アトミックスワップ)もある。
平成29年1月1日からCRS(共通報告基準)に基づく金融口座情報の自動的交換のための制度が実施される。金融機関においては顧客の居住地国の特定が義務付けられ、平成30年以降、金融機関は前年末において有する非居住者の状況(氏名・住所、口座残高等)を国税当局に報告しなければならない。各国の国税当局は、報告された情報を、租税条約等に基づいて、その居住地国の税務当局との間で一定期間ごとに相互に提供しあうこととされている。現時点では仮想通貨及び仮想通貨交換業者はこの制度の対象とされていないが、外国の交換所を通じた取引も容易に行われていることから、これを対象とすべきである。
特定の中央管理者を持たない仮想通貨のシステムが、従来の金融機関や金融システムのあり方や考え方を大きく変えているように、税制・税務においても、従来の考え方の延長線上では対応が困難であることを示唆しているとも思える。税制を含め、各種制度のあり方、大きくいえば国のあり方、国とその構成員である国民との関係がいかにあるべきか、ということが問われているようにも感じられる。
「仮想通貨の場合も価値移転の把握は困難であり、法貨との交換において把握するのが適切」と書いてあります。じゃあ始めからそうしなさいよ全く。DEX等に対応する必要があるとは述べていますね。また、仮想通貨交換業者もCRSに含めるべきと書かれています。書くのは簡単ですが、どこまで出来るのか不明です。

安河内氏が納税の仕組みを考えているわけではないでしょうが、なぜ税務大学校教育官の論文で適切と述べられている方向と真逆の税制になっているのか、理解できません。

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