2018年2月16日金曜日

租税条約を読んでみる

さて、「海外取引所を使っていても、租税条約に基づいて取引内容を問い合わせることが出来る」という意見をネット上で見かけました。では、実際の租税条約はどうなっているのでしょうか。例えば先の私の記事のように、匿名性通貨を噛ませて送金した場合、問い合わせることは可能なのでしょうか。

実際に租税条約に基づいて問合せを行うには、以下の項目を相手国に提出しなければならないようです。
  1. 要請の対象となるものを特定する事項 
  2. 要請者の課税目的のために必要となる情報の期間
  3. 要請する情報の性質および当該情報を受領する形式
  4. 要請を必要とする課税目的および要請者への法令の運用に関連すると認められる理由
  5. 要請する情報を被要請者が保有しているか、又は管轄内の者が保有していると認められる理由
  6. 要請する情報を保有しているものの所在地(判明している場合に限る)
匿名性通貨を噛ませて全く別の海外取引所で売買した場合、5が不明になります。よって、租税条約に基づいても調査できないように見えますね。

もしかしたら、全ての海外取引所に対して、「当該期間において残高1億円相当以上を記録したことがあり、かつ日本からアクセスのあるアカウントの情報」などというざっくりした要請で情報が引き出せるなら、メールアドレス等からでも追跡できるかと思いましたが、そういうざっくり要請は出来ないようです。

ただし、租税条約には「要請に基づく情報交換」、「自発的情報交換」、「自動的情報交換」と3つの項目があります。要請に基づくものは無理でも、自発的ないし自動的交換であれば、ある程度把握できるかもしれません。

そんなことを考えていたら、世間ではこれですよ。
国税長官足かせに? きょうから確定申告 「雲隠れ」半年以上、書類廃棄にクレーム
産経も大批判する国税庁長官の"虚偽答弁"

もうね、低レベル過ぎて言葉もありません。あろうことか国税庁長官が国有地売却に関して、「書類がありません」「データは破棄して復元できません」などという答弁をしていたそうです。これが通用するなら、まともに納税する人は皆無でしょう。

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